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君想う声とわたがし が連携して書く小説と、 各自の小説を載せていくブログ★
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無題
淡い光が部屋の中から溢れ出した。
「ぐぅ…眩しい!!」
黒い影が叫ぶと、
2つの黒い影から、2人の同じ姿の青年が現れた。
「………あれ?」
ルーシェは驚いた。驚いたというより、自分が寝ぼけているんじゃないかと、逆に心配になった。
確かに、黒い影が襲ってきたように見えたのだが…。
青年2人は、気を失い、その場に倒れた。
「お~い。朝だよ~…ダメだ。気を失ってるよルーシェ。」
「…おかしい。」
青年が持っていた漆黒の刃は、どこかに消えていた。
ルーシェは、男2人をベッドの上に寝かせ、
街の様子を見に行くことにした。
まだ、辺りは暗かった。
真っ黒なマントをはおり、色々なところを見回した。
しばらく歩いていくと、異様に盛り上がっている建物を見つけた。
「何か楽しそう~。」
「…隠れてて。」
ルーシェがそう言うと、建物の中から、
いかにも酔っ払った歩き方をしている中年の男が出てきた。
片手には酒を持っている。
ルーシェは特に気にせず、その男の前を通り過ぎていった。
その直後だった。
後ろで、銃声の音が聞こえた。
すぐに振り返ると、さっきの男が倒れているのがみえた。
「……?」
よく、目を凝らしてみると、
ベッドで寝ていたはずの男2人組が、3人組になって出てきた。
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無題
「あ~、もう駄目。眠い~」
「ルーシェ。いくら疲れたからって年頃の女の子がいきなりベットにバタンキュ~ってのもどうかと思うけど」
「うるさい!いいじゃんかぁ、ちゃんと働いたし。っていうか、猫もどきに言われたくないから」
「猫もどきって言うなぁ!」
ルーシェは今日の朝あの少年に見せた冷静な態度とは打って変わって、だらけていた。
「明日も早いんだから、あたしは・・・もう・・・寝・・・る」
スースーと寝息が聞こえてくる。
「はぁ、まったく何考えてるんだか。疲れてるのは君だけじゃないって言うのに。なんていっても聞いてるわけないか。・・・おやすみ」
静かな夜。聞こえるのは一人と一匹の寝息だけ。
そんな平和な日常も、次の朝には忘れざるを得なかった。


翌日、というか深夜。
それは唐突に訪れた。
宿屋の扉が開く。中に入ってきたのは、人の形をした黒い物体。
そいつらはなにもしゃべらず、目配せもしないのに息をぴったりと合わせて、ひとつの扉に向かっていった。
音を立てないようにドアを開ける。
ベッドに一人の人間が眠っていた。
起こすなよ、とでも言っているかのように互いの顔の部分を見合わせる。
いつの間にか、そいつらの手には漆黒の刃が握られていた。
そっとちかずいていく。
そいつらがベットの人間に刃をつきたてようとした時。
ニャァォォン。
猫が鳴いた。いや、猫にしては声が少し高かったと思う。
ベッドの人間が起き上がる。
「ぉゃ?あなたたちですか。すみませんが、私は疲れているので、手早くすませますね」
淡い光が部屋の中に広がった。
無題
女は、少年の街を出た後、一瞬立ち止まった。
街の方を向いたが、振り返ってまた歩き出した。
それにしても、静かだった。
女の足音しか、森に響かない。
鳥の囀りも、猛獣が鳴く声さえなかった。
「ねぇ良かったの?」
突然、彼女が羽織っていたマントの中から、小さな生き物が現れた。
彼女とは全く逆の色をしていた。黒い。
三角の耳を2つ持っていて、体つきはしなやかで、長い尻尾がついている。
猫より、少し小柄だ。
「自分で決めたことに、他人が口出しすることもない。」
「またそんな事言って~。
…あの子、1人であの街にいたのかな。」
「分からない。1人だけ影に飲み込まれなかった、というのも不自然だ。
彼は、他の人よりも、何か特別な力があったのかもしれない。
レクノスに飲み込まれてしまえば、元も子もないけどね。」
「あの世界は恐ろしいからね。
僕の姿がこうして変わってしまったのも全部レクノスのせいだよ。
ねぇ、どうして僕だけは助けてくれたの?ルーシェ。」
ルーシェと呼ばれる女は、しばらく黙ったまま歩き続けた。
「君は最初に生まれた光だからだよ。
そろそろ、見えてくるはずだけど。」
ルーシェが微笑んでそう言うと、黒い建物にカラフルな明かりが灯った街が見えてきた。
人もたくさん居て、いかにも賑やかそうな街である。
そういえば、日も暮れてきた。
今夜はこの街のどこかでのんびり過ごす事にした。
最悪な出来事が、こんなにも早く起こることも知らずに。
無題
「あぁ、あの町ですか。意外と近かったんですね」
「・・・そうだよ」
無愛想にそう答える。
影の話を聞かせてもらったことには感謝している。
でも、なにか納得がいかない。
その力が僕にもあったらすぐにでもあいつらを助けにいってやれるのに。
「ここまでくればもう大丈夫ですね。では、私はこれで」
“アリガトウ”と言えない自分が情けなく思えた。

その一日は文献で必死に影のことを調べた。
何故あるのか、とか、喰われたらどうなるのか、とか、あの力を手に入れるにはどうしたらいいのか、とか。
何時間かそうやって探しているうちに、ひとつの見出しが目に入った。

~~~影の壊し方~~~

「当たり、かな?」
詳細に目を通す。
『影とは光と対象の存在。光がなければ影はできず、影ができないのならば光は存在する価値もない。それは互いに共生しているとも言えよう。また、この原理を理解すれば、影から光を作り出すこともできなくはない。ただ、ひとつの儀式を行いさえすれば・・・・・・』
このとき、少年の頭の中には、これであいつらを救える。という思い以外は何もなかった。
「これだ!・・・早速準備をしなくちゃ!」
少年はへやから飛び出していった。

『追記。
この儀式をやり身を滅ぼした者も少なくないという。もし行うのならば、死んでもいいという覚悟と、普通の人間ではいられなくらるという恐怖に打ち勝つ勇気を持って行うことをお勧めする』

彼がこの本を開くことは二度となかった。
無題
「…ふ、ふざけ」
少年は、この状況で冷静になっていられる男に腹が立って、
襲いかかろうとした。
しかし、殴りかかった方の腕を取られてしまった。
そして、あっけなく少年は倒された。
その反動で、男のマントの帽子が取れた。
「…女?!」
銀色の長い髪に、青い瞳の大人しそうな顔立ちをした、
女の姿が現れた。
「私の護るべき人々も、全てレクノスに奪い去られました。
先ほど見せた技は、影…つまり闇を消すこと。
レクノスに通じる闇は、もっと恐ろしいもので、先ほど以上の力が必要になる。
しかし、無闇に影を消すのも良くない。
光があるからこそ、闇があるという事を、忘れてはなりません。」
女は、構わずレクノスの話を続けた。
「どうやっても、助からない…?
この街の人も、…この世界はもう滅びるって事なの?」
少年は、腰を抜かしたまま女に質問した。
「先ほど言った通りです。
世界は間もなく滅びるかもしれない。
しかし、私のように光を操れる者が他にもいるのだとすれば、まだ可能性はあります。
…ところで、あなたはこの街の人ですか?」
女はレクノスの話を急にやめた。
そして、手を差し伸べ、笑顔でそう質問した。
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