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君想う声とわたがし が連携して書く小説と、 各自の小説を載せていくブログ★
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偽善な救世主 Ⅱ
二人の会話を聞いていたその男は、なんとかして二人に近づこうと考えていた。
べつに、ふたりの中をわるくしたいとかそういうことではない。
ただ、男のほうに見覚えがあったからだ。
男はあれやこれやと考えた末、全てを放棄して単刀直入に話しかけた。
「君、栄一君だよね?」
相手は驚いている。
「え、そ、そうだけど。えっと、誰?」
「やっぱりそうか。覚えてないのか?僕は花岸燈真だよ」
「・・・・・・知らん」
半眼で見下ろされてしまった。隣の彼女らしき女性もいぶかしげな顔つきになっている。
「ちょ、待って!ほんとにわからない?ほら、中学でおんなじクラスメイトになった」
中学ときいたとたん相手は苦い顔をした。
(思い出したかな?)
「ごめん。俺、中3から前の記憶がないんだ」
「なっ!?・・・そうだったんだ。なんか、ごめんね」
「ぃゃ、いいって。こっちこそ覚えてなくてごめんな」
そういって彼らは歩いていってしまった。
「・・・覚えてないんだ。あのことも」
燈真は小声で、そう呟いた。


次の日
っといっても日曜日なので特にやることがない栄一は、散歩をしていた。
散歩は毎回違うルートを通っている。
町を覚えるためだ。
ある程度歩くと、突き当たりの辺りに墓地が見えた。
(ここはあまり通らないほうがよさそうだな)
そう思いながら墓地の隣を通ると、
「痛っ!!」
急な頭痛に襲われた。
『・・・偽善者め』
「っ!?誰だ!!」
『おろかな偽善者め。逃げようとも無駄だ』
頭の芯に響く声はだんだんと大きくなっていく。
女の声のような気がした。
「・・・く・・・・・・」
意識が、とんだ。
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