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君想う声とわたがし が連携して書く小説と、 各自の小説を載せていくブログ★
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偽善な救世主 Ⅷ
「今なら答えてくれるかな?」
《何を?》
そういう楓の顔には先ほどの畏怖は見て取れない。
「なんで、あの時相談してくれなかったのか」
《あぁ、あれね。あれは、私自身で解決したかったの》
「え?」
《ほら、いつも迷惑かけてばっかりだったでしょ?だから、あれぐらいは君を心配させないでおこうって》
「で、でもそれじゃぁなんで!」
《君にはわからないよって言ったかって?》
言葉を先に奪われて口ごもる。
《あれは、なんでしょうね?言い訳でもないし八つ当たりでもない。そうね、私、切羽詰ってたのよ》
「それだけ?」
《そうよ。・・・・・・あれ、もう逝かなくちゃならないみたいね》
「そんな!!」
《大丈夫。君は私が居なくてもどうにかなるわ。頑張らないとなのはなのは私のほうね》
彼女の姿はゆっくりと掻き消えていった。

*     *      *      *      *

「只今戻りました、ヤハウェ様」
「おぉ、ミハエル、ぃゃ、今は燈真だったか。よくぞ戻った。で、相手のほうは?」
「クスクス、ミハエルでいいですよ。彼のほうは問題なしです」
「そうか。それにしてもお前の考えはいささか度が過ぎていたのではないか?」
「恐縮です。しかし、こうもうまくいったのですから、いいじゃないですか」
「ぅぅむ。しかしなぁ。死者を操って、人間を騙すとは。天使としていかがな物か」
「ヤハウェ様は相変わらず頭が固いですネェ」
「まぁ、しょうがないのぅ。特に火が会いにあったものもおらんようだし。よしとするか」
「では、私はこれで」
そういってミハエルは席を外す。
「ふむ、偽善者とはまさにあいつのことじゃな。天使が悪魔のふりをするなど、前代未聞じゃわ」

                      by kimiomo




いやぁ、久しぶりの更新ww
そして長編完結ww
ぐだぐだなストーリー転換だったけど読んでくれた人は理解できたかな?ww
日々精進、んでもってもっといいものをww
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偽善な救世主 Ⅶ
その日は雨が降っていた。
しとしとと降り注ぐそれは、そのときの俺の心の中を表して居たのかもしれない。
目の前には、一人の少女。
一歩進めば楽々と死ねる。
そして後ろには、たくさんのクラスメイト。
そのときだけは自分がどうしたらいいか理解できなかった。
何故?
そう問いかけると彼女は悲しく微笑んだ。
そして、君にはわからないよね。
そう言って、彼女は宙に身を投げ出したのだ。
後からきずいた。
彼女は俺が仲良くしていたクラスメイトいじめられていたのだ。
陰口というレベルではない。
一歩間違えれば殺していたほどのいじめだったそうだ。
だが、俺は真実を知った後もそいつらと普通に接していた。
そう、まるで彼らを罪から救出するように。

偽善者。

その言葉が心に刺さる。
あの時もし彼らに反論していたら。
こんなことにはならなかったのかもしれない。
もぅ、後にはもどれない。

「・・・あのさ、・・・その、どうしたら許してくれるかな?」
『私は、お前を許さ・・・』
《もぅ、怒ってなんかないよ》
「!?」
「ぉゃ、これは驚きましたネェ。まだ理性が残っているのですか」
「お前!」
「クスクス、これでは仕方がありません。私は引かせてもらいましょうか。」
「まて!」
《いいのよ。全部あたしが悪いの》
「・・・楓」
久しぶりに彼女の名前を呼んだ気がした。
無題
淡い光が部屋の中から溢れ出した。
「ぐぅ…眩しい!!」
黒い影が叫ぶと、
2つの黒い影から、2人の同じ姿の青年が現れた。
「………あれ?」
ルーシェは驚いた。驚いたというより、自分が寝ぼけているんじゃないかと、逆に心配になった。
確かに、黒い影が襲ってきたように見えたのだが…。
青年2人は、気を失い、その場に倒れた。
「お~い。朝だよ~…ダメだ。気を失ってるよルーシェ。」
「…おかしい。」
青年が持っていた漆黒の刃は、どこかに消えていた。
ルーシェは、男2人をベッドの上に寝かせ、
街の様子を見に行くことにした。
まだ、辺りは暗かった。
真っ黒なマントをはおり、色々なところを見回した。
しばらく歩いていくと、異様に盛り上がっている建物を見つけた。
「何か楽しそう~。」
「…隠れてて。」
ルーシェがそう言うと、建物の中から、
いかにも酔っ払った歩き方をしている中年の男が出てきた。
片手には酒を持っている。
ルーシェは特に気にせず、その男の前を通り過ぎていった。
その直後だった。
後ろで、銃声の音が聞こえた。
すぐに振り返ると、さっきの男が倒れているのがみえた。
「……?」
よく、目を凝らしてみると、
ベッドで寝ていたはずの男2人組が、3人組になって出てきた。
無題
「あ~、もう駄目。眠い~」
「ルーシェ。いくら疲れたからって年頃の女の子がいきなりベットにバタンキュ~ってのもどうかと思うけど」
「うるさい!いいじゃんかぁ、ちゃんと働いたし。っていうか、猫もどきに言われたくないから」
「猫もどきって言うなぁ!」
ルーシェは今日の朝あの少年に見せた冷静な態度とは打って変わって、だらけていた。
「明日も早いんだから、あたしは・・・もう・・・寝・・・る」
スースーと寝息が聞こえてくる。
「はぁ、まったく何考えてるんだか。疲れてるのは君だけじゃないって言うのに。なんていっても聞いてるわけないか。・・・おやすみ」
静かな夜。聞こえるのは一人と一匹の寝息だけ。
そんな平和な日常も、次の朝には忘れざるを得なかった。


翌日、というか深夜。
それは唐突に訪れた。
宿屋の扉が開く。中に入ってきたのは、人の形をした黒い物体。
そいつらはなにもしゃべらず、目配せもしないのに息をぴったりと合わせて、ひとつの扉に向かっていった。
音を立てないようにドアを開ける。
ベッドに一人の人間が眠っていた。
起こすなよ、とでも言っているかのように互いの顔の部分を見合わせる。
いつの間にか、そいつらの手には漆黒の刃が握られていた。
そっとちかずいていく。
そいつらがベットの人間に刃をつきたてようとした時。
ニャァォォン。
猫が鳴いた。いや、猫にしては声が少し高かったと思う。
ベッドの人間が起き上がる。
「ぉゃ?あなたたちですか。すみませんが、私は疲れているので、手早くすませますね」
淡い光が部屋の中に広がった。
無題
女は、少年の街を出た後、一瞬立ち止まった。
街の方を向いたが、振り返ってまた歩き出した。
それにしても、静かだった。
女の足音しか、森に響かない。
鳥の囀りも、猛獣が鳴く声さえなかった。
「ねぇ良かったの?」
突然、彼女が羽織っていたマントの中から、小さな生き物が現れた。
彼女とは全く逆の色をしていた。黒い。
三角の耳を2つ持っていて、体つきはしなやかで、長い尻尾がついている。
猫より、少し小柄だ。
「自分で決めたことに、他人が口出しすることもない。」
「またそんな事言って~。
…あの子、1人であの街にいたのかな。」
「分からない。1人だけ影に飲み込まれなかった、というのも不自然だ。
彼は、他の人よりも、何か特別な力があったのかもしれない。
レクノスに飲み込まれてしまえば、元も子もないけどね。」
「あの世界は恐ろしいからね。
僕の姿がこうして変わってしまったのも全部レクノスのせいだよ。
ねぇ、どうして僕だけは助けてくれたの?ルーシェ。」
ルーシェと呼ばれる女は、しばらく黙ったまま歩き続けた。
「君は最初に生まれた光だからだよ。
そろそろ、見えてくるはずだけど。」
ルーシェが微笑んでそう言うと、黒い建物にカラフルな明かりが灯った街が見えてきた。
人もたくさん居て、いかにも賑やかそうな街である。
そういえば、日も暮れてきた。
今夜はこの街のどこかでのんびり過ごす事にした。
最悪な出来事が、こんなにも早く起こることも知らずに。
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